書くテーマは「ユニークな人」から探す

どう書くか以前に、何を書くか。自分なりに面白く書く方法については別項に譲るとして、いったい何について書いたらいいのだろう。

それをゼロから自分で考え出せる人がいたら、本書などすぐに閉じて、執筆にいそしんだほうがいい。そのテーマの先見性によっては、出版社から「うちでエッセイを書きませんか」と言われるだろう。

しかしそれほどの人はそうそういない。ではどうすればいいかというと、書くテーマは「人の頭」を使って探せばいいのだ。自分でテーマを考えつく必要はまったくないのである。

おそらく多くの人が、SNSで自分の友達以外の人をフォローしていると思う。

ユニークな人をフォローしていれば、ユニークなテーマが山ほど目に飛び込んでくる。

ユニークな人というのは、たとえば特殊分野の学者や、珍しい職業の人、一風変わった視点で発信し続けている人などだ。

仮にそういう面白い人を50人フォローしたとして、1人あたりから1週間に1つずつネタをもらったとしたら単純計算で週に50個、1年後には50個×約52週で約2600ものネタが手に入ることになる。

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写真=iStock.com/DKart
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フォロー相手の性別や年齢にバリエーションを持たせよう

フォロー相手の性別や年齢などの属性をバラけさせることも重要だ。人は放っておくと、つい自分と似たような属性の人をフォローしがちだが、そこはあえて自分と違う年代、性別の人を意識的にフォローする。

このように習慣づけるだけでも、自分とはまったく違う視点から書かれたものを日々目にすることになり、視野が広がる。自然と自分が書くテーマにもバリエーションが出るだろう。

私もそこはかなり意識して、フォロー相手や友達の性別や年齢のバランスをとるようにしている。

好んでフォローしているのはサイエンス系の人なのだが、それ以外にも欧州在住の音楽家や、さらにはたまたま目にした投稿が面白かったというだけで、何をしているのかすらもよく知らない人に自分から友達申請を出したことも何度もある。

日本だけで考えても約1億3000万人もの人間が生きており、性別や年齢もさまざまなら、ちょっとした味の好みや洋服のセンス、政治的信条まで、じつに多様だ。

見方を変えれば、発信する人の数だけバリエーション豊かな情報源があるということだ。いろいろな年代、性別の人をフォローするというのはいわば、日本のミニチュア版を自分のSNS内に再現することともいえる。

なお、フォロー相手や友達の「整理」をマメに行うことも重要だ。

投稿がつまらなくなってきた人はフォローを外す、不愉快なコメントをつけてきた人は即ブロックといった具合にだ。こうして自分のSNSをつねに自分にとって有益な情報空間として保つのである。