目標を早く達成できる人は何が違うのか。2019年度秋の東大模試で全国1位を獲得した現役東大生の相生昌悟さんは「重要なのは目標を細分化することだ。そうすればムダな努力をしなくて済む」という――。
鉛筆を持ってノートに書こうとしている手
写真=iStock.com/DNY59
※写真はイメージです

報われない努力はなぜ報われないのか

みなさんは、「努力は報われる」という言葉についてどう思うでしょうか。おそらく正しいと思う人も、間違っていると思う人もいると思います。

僕の回答は、「言葉が足りない」です。「しっかりと目的を明確化した努力は報われる」、という条件がつけば、正しいのではないでしょうか。

確かに努力は報われます。しかしこの「努力」という言葉はすごくくせ者で、ガムシャラでなんの意味もない努力では、いつまでたっても目標は達成できません。

逆に、努力の目的が明確で、「何を努力しなければならないのか」が見えているのであれば、必ず努力は報われます。自分に足りていないところや自分が到達したいと思っている部分をしっかりと把握して努力をしているわけですから、報われないわけがないのです。そして東大生は、この「目的」の作り方がしっかりしています。他の人よりも何十倍も、「努力の目的」の明確化の能力が優れているのです。

努力が報われない人や、頑張ってもなかなか知識を吸収できないと思っている人たちの共通点は、実は「ゴールが明確になっていないこと」に尽きます。

例えば、何冊も本を読んでいるのにもかかわらず、なかなかその知識が身についたような気がしない……という悩みは割と多くの人が抱えていると思います。

それは、本を読む目的が明確化されていないことが原因なのです。「どうして自分はその本を読むのか?」という目的が明確になっていないから、本から得るべき知識を吸収しないままに本を読み進めてしまっていて、最終的に何も残らなくなってしまうのです。