化粧品大手DHCの吉田嘉明会長が、自社サイトに在日朝鮮人に対する差別的な文章を掲載し、ツイッターなどで批判が相次いだ。報道対策アドバイザーの窪田順生氏は「この文章ではライバル企業のサントリーについても批判している。サントリーはコメントを差し控えるとしているが、その対応にはひとつだけ問題がある」という――。
燃え盛るアームチェア
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DHC吉田会長“予備軍”は山ほどいる

2020年末、DHCの吉田嘉明会長の「差別的文章」が炎上した。

公式オンラインショップに掲載された文章が、在日朝鮮人への差別的な表現を含んでいるとして批判を浴び、SNSでは「#差別企業DHCの商品は買いません」といった不買運動が呼びかけられたのである。

いまとなっては「ああ、そんなこともあったね」と思われるかもしれないが、実はあの騒動を見て「ウチもやばいかも」と肝を冷やした人たちがたくさんいた。企業広報の皆さんである。

吉田会長に限らず、創業社長というのは総じてキャラが強烈だ。メディアのインタビューや株主総会では殊勝な顔でおとなしくしていても、社員の前では差別発言、不謹慎発言連発という人も少なくない。

しかも、基本的にワンマンゆえ周囲もイエスマンだらけで誰もいさめない。つまり、たまたまバレていないだけの「吉田会長予備軍」は経済界に山ほどいるのだ。ということは、そのような経営者の横でヒヤヒヤしている広報もそれだけ多いということでもある。