「外食チェーンの勝ち組」サイゼリヤも減退
前年比の下げ幅が2番目に大きかったのは、電子書籍やアミューズメント機器向け景品製販をメインにするワースト15位のフォーサイドだ。その理由について、同社の広報は「本年度は親会社と子会社の間で人事異動および入退社があった。また、平均年収は業務の引き継ぎ期間に在籍していた延べ人数で計算しているため、現在在籍している4人のものとは異なる」と説明する。
一方、物流機器パレットのレンタルを行う日本パレットプールは前年比108万8000円増と最も上がり幅が大きく、昨年のワースト8位から279位になった。同社の総務は「実際の年収が上がったわけではない。前年は出向者に支払っていた給与を含めない数値だったが今回は正しく表記した」と話す。
来年度は、新型コロナウイルスによる業績変動が多くの企業で出るだろう。とくに影響の大きい小売業、サービス業は平均年収の低い企業が多いだけに、経営悪化からの給与カットが危ぶまれる。外食チェーンの勝ち組だったサイゼリヤは、他社に先がけてコロナの影響を8月期の決算に反映させ、平均年収は前年比38万8000円減の589万3000円となっている。こうした給与減はほかの企業にも広がりそうだ。