子どもがスマホをほしがったとき、どうすればいいのか。弁護士の上谷さくら氏は「未成年のうちはスマホを持たせないというのは現実的ではない。しかし厳しすぎるぐらい注意しておいたほうがいい。私は小学生の娘とSNSについて3つのルールを決めている」という――。
スマートフォンで遊ぶかわいい女の子
写真=iStock.com/Alina Demidenko
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LINEの相手は親が知っている人だけ

子どもにスマホをいつから持たせるか、持たせるとしてどんなルール作りをするかは、親にとって悩ましい問題です。本音を言えば、成人するまで持たせたくありませんが、スマホなしでは学生生活が成り立たないという面もあり、そうも言えないでしょう。

そこで、子どもも親も安心してスマホとSNSを使えるように、わが家では小学生の娘との間に3つのルールを設けています。

1つ目のルールは、使用してよいSNSをLINEだけにすることです。ただし、LINEは親が許可した相手に限ることとし、時々内容をチェックする約束です。なお現時点で、私は娘にスマホを持たせておらず、できれば中学生になっても持たせたくありません。今は親のiPadだけ使っていいことにしています。

2つ目のルールは、平日は祖父母のみOKで、友達とのやりとりは土日に限るということです。時間も15分程度としています。

3つ目のルールは、ゲームの「DM通信機能」を一切禁止していることです。娘にはある着せ替えの無料ゲームを許可しています。平日はしない約束ですが、このゲームにあるDM通信機能が曲者で、知らないユーザーとも直接やりとりできるため、これを利用しての被害がたくさんあるからです。

最初は他愛ない話から、「親切な人」「何でも相談できる人」という信用を勝ち得て、裸の写真を撮らせたり、実際に会ってわいせつ行為をしたり誘拐に及んだり、という事件が後を絶ちません。性被害の対処法については、上梓した『おとめ六法』(KADOKAWA)でも詳しく紹介しています。

DMの送信元は「全員変態のおじさん」と思ったほうがいい

DM通信機能の禁止について娘に話をした際、「メールをしてくるのは、小学生とは限らない。全員変態のおじさんと思ったほうがいい。高校生や大学生のお兄さんでも、変な人はいるし、小学生くらいの子が遊ぶゲームにわざと紛れ込んでいたりするんだよ」と言いました。もちろんこれは極端な意見であり、相当な反発を覚える人も少なくないであろうことは理解しています。

でも、そう言わなければ娘を守れない、というほどの現実があるのです。今、そこまで厳しくしていても、年齢とともに徐々に緩んでくるでしょう。ですから、それなりの年齢になるまでは、厳しくしてもしすぎることはないと思っています。

一度、着せ替えの無料ゲームのDM機能を通じて「こんにちは! 友達申請よろしくね」というメッセージが来ており、それに対して娘が「了解」という返事を送っているのを見つけ、厳しく注意しました。

「この人がどんな人かも分からないよ? いい人ってなんで分かるの?」「変態さんだったらどうするの?」とたずねると、「もうしない」と言っていましたが、日頃から厳しく言っていても、やっぱり気軽に返事をしてしまうんだなと思い、私自身も怖くなりました。娘と話し合った結果、今後同じようなことをしたら、「iPad自体を使用禁止」と約束しました。