広瀬武夫は、なぜ「軍神」に祀(まつ)り上げられたのか。『坂の上の雲』の主人公のひとり、秋山真之(さねゆき)は、海軍兵学校では広瀬の2学年下だった。とはいえ、真之は予備門から一高をめざしていて兵学校への入学が遅れたため同い歳だった。

真之が海軍水雷術練習所学生を命ぜられて横須賀に転属となったときには、広瀬は横須賀水雷艇隊艇長をしていた。