「残業なし」「ノルマなし」「期限なし」の経営

社外だけでなく、社内の“協力者”も大切にするのがワークマン流だ。

今後、「#ワークマン女子」は全国で400店舗展開していく予定だが、この目標は「10年」というゆるやかな期限で設定されている。

「目標を決められて『やれ』と言われたら、社員がストレスを抱えて目標を達成できないことのほうが多いと思うんです。それよりも、『がんばろう!』というゆるやかな目標を掲げられたほうが、とんでもない結果を生み出すケースがうちの会社には多いんです」(林さん)

ワークマンは「残業なし」「ノルマなし」「期限なし」の“しない経営”というユニークな方針を掲げている。従業員や提携先に無理な負担を追わせたりする経営はしない。企業を成長させるための「協力者」を大切にすることが、コロナ禍でも力を合わせて売り上げを伸ばせる底力になっているのである。

キッズ向け商品が充実してきた

アフターコロナの世界で、ワークマンはどこに向かうのか。

「#ワークマン女子」の店内を回って気付いたことは、キッズ向けの商品が今まで以上に充実している点だ。女性客を取り込むことができれば、キッズ向けの商品やベビー用品の充実は時間の問題のように思われる。西松屋やしまむらの市場を脅かす存在になる可能性は決して低くはない。

また、ワークマンの高い商品開発力があれば、紳士服業界に打って出てくることも予想される。スーツの販売は在宅のリモートワークの影響を受けて大苦戦中だ。ワークマンがカジュアルとフォーマルの中間ぐらいの、ゆるやかな着心地の低価格スーツをリリースすれば、紳士服業界に与える打撃は大きい。

キッズ向けの商品が今まで以上に充実している。
筆者撮影
キッズ向けの商品が今まで以上に充実している。