慰謝料と養育費を払ってでも手に入れたい生活
【CASE2】稼いだお金を自由に使いたい夫
「妻に離婚を切り出したものの、納得してもらえない」と相談に訪れたのはOさん(39歳)。Oさんもコロナをきっかけに自分の人生を見直したひとり。その結論として、3カ月前に「人生をやり直したい」と妻に離婚を提案したのだという。
Oさんより3歳年上の妻が、突然離婚を言い渡されて真っ先に疑ったのはOさんの浮気だった。「子どももいるのに、私と別れて浮気相手と幸せになろうだなんて、絶対に許さないから」と激怒。怒りのあまり、Oさんに内緒で夫の素行調査をプロに依頼したものの、結果は完全に“シロ”。自他ともにマジメを認めるOさんに女の影はなかった。
実はOさんには、妻との離婚を考える理由がほかにあったのだ。コロナをきっかけに自分の将来を考えた時、「これからは、自分のためだけにお金と時間を使いたい」と思ったのがそれだ。
まだだいぶ残っている住宅ローンと浪費家の妻の金遣いの荒さ、毎月20万円近くかかる二人の子どもの学習塾の月謝代やこれから負担を余儀なくさせられる親の介護費用のことなど莫大な出費のことを計算すると、「自分はなんのために毎日働いているんだろう」と激しいむなしさに襲われたのだという。
Oさんは、後悔しない人生を送るためにも、慰謝料と養育費を払ってでも離婚をし、好きな仕事に就いて稼いだお金を自分の趣味に使い、週末も思い通りの時間を過ごす選択をしたいと熱く理想を語るが、果たして妻に理解を得られるかどうかは未知数だ。
家族と一緒にいることが、息苦しくなった
【CASE3】「夫」「父」のプレッシャーから解放されたい夫
「妻や母である前に、ひとりの女性でいたい」と願う女性が少なくないように、男性も「夫」や「父」という肩書にプレッシャーを感じる人もいるようだ。
コロナをきっかけにリモートワーク生活をスタートさせたTさん(37歳)は、自宅にいる時間が長くなり、家族とほぼ四六時中一緒に過ごすことになったおかげで息苦しさを感じはじめ、とうとう「離婚も視野に入れている」という深刻な段階まで思い詰めることになった。