※本稿は、たりたり社長『今だからこそ始める!本気で稼ぐ株式投資の教科書』(KADOKAWA)を再編集したものです。
「コロナ暴落」で損した人、得した人
コロナ・ショックの3月、ニューヨーク証券取引所ではS&P500(編集部注:米国の主要な上場企業500社の株価をもとに算出された株価指数)が7%以上下落したためサーキットブレーカーが発動し、取引開始早々に15分間売買ができない事態に直面しました。一度だけならず何度か取引が中断され、3月18日にはVIX指数(恐怖指数)が一時85.47となり、文字通り投資家の不安や恐怖はMAXとなりました。
リーマン・ショックの2008年10月24日の恐怖指数、89.53には及ばなかったとは言え、これだけの株価暴落は、それまで個別株を買っていた人にとっては悪夢となったに違いありません。30を超えると警戒とされているこの指数は、現在30付近で推移しています。
株取引では上がった時に売る、下がった時に買うのは鉄則ですが、今の株価が高いのか安いのかを見分けるのは非常に難しいことです。実際、リーマン・ショックの再来かと言われていた3月に、信用取引や先物オプションなど以外で資産を増やした人は少ないでしょう。
「落ちるナイフ」を拾いに行くな
ウォール街で昔から言われている「落ちるナイフは拾うな」という格言があります。下落している中では、ナイフ(=株)をつかむと痛い目に遭うことが多いからです。安値を付けて落ち着いてから買っても遅くはないです。
コロナ・ウイルスが世界で猛威を振るっている中での3月~4月に個別株を買った初心者投資家は、今売ればかなりの利益を得たに違いありません。ただし、今が売り時だったかどうかは後からわかることです。また、日経平均が2万3000を回復し、ダウ平均も2万8000を上回り、NASDAQが最高値を更新したこの9月、新規に株を買ってもいいものでしょうか? 何も知らないで安いからと株を買った人には、これから落とし穴があるかもしれません。