投資で成功するための「鉄則」はあるのか。投資家の村上世彰氏は「モノの値段は『需要と供給』で決まる。だから価値と価格は等しくない。投資の鉄則は、価値に比べて価格が割安になっているタイミングで買うこと。それはサンマの価格をみればよくわかる」という――。
※本稿は、村上世彰『村上世彰、高校生に投資を教える。』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
物の値段を決めるのは需要と供給
投資を行う上で価値と価格の見極め方はとても大事です。これは「期待値」を考える前提にもなります。
まず、私の大好きなサンマの話からしたいと思います。
私はサンマが本当に好きで、日本に帰国する度に必ず食べます。9月(2019年)に帰国した時にもサンマを食べましたが、あまり脂がのっていない痩せ細ったサンマが1尾500円くらいしました。
ところが今回帰国(2019年11月)して食べたサンマは脂がのっていてとても美味しくて、1尾150円くらいでした。
「1尾150円、500円。サンマの値段はなぜこんなに違うのか」
サンマの値段はどうしてこんなに違うのでしょうか。分かる人いますか?
そうです、9月にはサンマはほとんど獲れなかったけど、11月にはサンマがものすごく獲れるようになった、ということですね。
9月といえば本来は美味しいサンマがたくさん獲れる時期なんですけど、今年はものすごく不漁だった。出回るサンマがものすごく少なかったので、あまり美味しくない上に値段が上がってしまった。
ところが、11月になると美味しいサンマがたくさん獲れるようになって、それで値段が下がりました。
このように、価格というのは需要と供給の関係で決まります。つまり、それを求める人がたくさんいるのに供給が少なければ価格は上がるし、たくさん供給されているのにそれを求める人が少なければ価格は下がります。
世の中の様々なモノの値段は、ほとんどがこの需要と供給の原理で決まっています。