性行為の内容や避妊の手順について、学校ではどこまで教えるべきなのか。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は「ドイツの学校では生徒が知りたいことはすべて教える。バッシングを恐れて何も教えない日本の性教育とは大きく異なる」という——。
日本人は性教育が足りない
日本に長く住む筆者は「日本と外国の文化の違い」についてよく考えます。なかでも最も違うなと思うのが「性のあり方」に関する考え方です。なぜなら日本でタブーなことがドイツでは当たり前だったりするからです。
代表的なものに「性教育」が挙げられます。
先日、ある番組が、緊急避妊薬について「日本で購入するには医者の処方箋が必要であること」、「でも世界の約90カ国では、医者の処方箋がなくても薬局で購入可能であること」を紹介しました。
すると、日本産婦人科医会の前田津紀夫副会長が「(薬局で買えるようになると)『じゃあ、次も使えばいいや』という安易な考えに流れてしまうことを心配している」「日本では若い女性に対する性教育、避妊も含めて、ちゃんと教育してあげられる場があまりにも少ない」とコメントし物議を醸しました。
妊娠は男と女がいて初めて成り立つものなのに、なぜ「若い女性」だけに責任があるかのような言い方をするのか、という批判の意見が多く聞かれたのです。
しかし「日本では避妊も含む性教育が足りない」という点は当たっているなとも思いました。今回は、日本と外国の性教育のあり方とその違いにスポットを当ててみます。