以前、学生から面白い相談を受けました。「将棋が面白そうだから勉強してみようと思ったら、友人から『将棋なんて社会人になったとき役に立たない。勉強したところで何の意味もない』と言われて、学ぼうかどうか迷っている」という内容でした。

僕は学生に「将来役に立つのは間違いない!」と即答しました。それはなぜか。仮にその学生が社会に出て営業職に就いたとしましょう。そこで、取引先の社長が将棋好きの人であれば、将棋の知識を通じていい関係を築ける可能性があるわけです。

何が人生の役に立つかは誰にもわかりません。でも、好きなことをやっていれば、選択肢は自然と広がりますよね。将棋の経験や知識があれば「僕と一局お願いします」と、趣味を通じて相手との距離を縮められるわけですから。将棋を知らなければ、そのような展開にはなりません。だから、学びはムダになりません。どんなことでも何かを学んでいれば、会話に加われるようになるし、生活が楽しくなるのです。

「仲良くなりたいな」と思う人が現れたとき、その人の興味のあることを自分も学びたいとは思いませんか? 距離を縮めたい人と話すきっかけが欲しいし、一緒にやってみたいという気持ちもあるでしょう。どんなことでも学んでおけば、相手と話す内容や一緒にできることが増えるわけですから、人生がさらに面白くなるのは間違いないのです。

あなたは学習したいですか?/今後学習したい内容

本を読んでも頭に残らないと嘆く人

読書も人生を豊かにする趣味の1つです。僕も毎日、寝る前に本を読むことを日課にしています。僕はさまざまな本を読みますが、最近読んで面白かったのは『KGBの男 冷戦史上最大の二重スパイ』というノンフィクション。少し読んで寝ようと思っていたら、ページをめくる手が止まらず、夜中の3時まで読んでしまいました(笑)。500ページ弱ある分厚い本ですが、たった2日で読み終えました。それくらい面白い本でしたね。

本といえば、ある40代の真面目そうなビジネスパーソンから次のような相談を受けました。「毎週本を読んでいるのですが、頭に何ひとつ残りません。どうしたらいいでしょうか」と。どんな本を読んでいるのかを聞くと、上司から毎週5~6冊の課題図書を渡されるそうです。半分読むのが精一杯で、積読つんどくが増えるばかりだと話していました。

僕は答えました。「すぐに古本屋に行って、その上司からもらった本をすべて売りなさい。そして手にしたお金で、あなたが本当に読みたい本を買って読みなさい。そうすれば頭に残る読書ができますよ」。

興味のない本を読んでも頭に残るはずがない。だから本も学びと同じで、自分が気になるものを手に取ればいいと思います。