精神科医「気持ちが落ち込んだら、お肉を積極的に食べましょう」

(3)クタクタの心身をセルフケアしましょう

「『もう疲れた……』と思ったら、とにかく自分を優しくいたわってください。自分で自分の心身を『手当て』する感覚です。自分自身をセルフケアする方法は、例えば、次の3つがあります」

① 気持ちが落ち込んだら、「肉」を積極的に食べましょう(摂取不足になると、うつになりやすい栄養素として、鉄、亜鉛、ビタミンB群、タンパク質などがあげられ、これらの栄養素を多くふくむ牛・豚・鶏の肉を食べることが推奨されています)
② 膝頭を手のひらで包みこみ、じわ~としてきたら自分でひざ小僧をなでてみましょう
③ ひとりでダラダラとお酒を飲み続けてしまう人がいますが、ちょっといいお酒を「至福の一杯作戦」と称して飲んで、酒量を上手に減らしましょう
目を閉じている女性
写真=iStock.com/Image Source
※写真はイメージです
(4)思考法を変えて、ネガティブな自分にさよなら

「『ツラいことばかりでどこかへ逃げ出したい……』そんなふうに滅入る日が多い、という人も多いでしょう。また、これじゃいけないと頑張ろうとするものの、立ち上がれないって人も。そういう方は『いつもの考え方』を違う角度から眺めてみるといいかもしれません。過去は変えられませんし、未来は誰にも分かりません。分かりっこないことを心配し悩むのはいったん、やめにしましょう。もし、助けになるものがあるとしたら、それは『自分が一番で何が悪い!』という強い気持ちです。次の3つを思考法の柱にしてください」

① 気にしていいのは「あさっての天気までにしよう」と思い切って割り切りましょう
② 反省する暇があったら、次に行きましょう
③ 自己肯定感は自分で自分に花丸をつけてあげることで養いましょう

最後に鹿目医師が印象的なことを語ってくれたので、それを記しておきたい。

「今、私たちは外出を制限され、人と会っても長話はせず、大人数での会食を控えるように言われています。つまり、『人と距離を取れ』と言われている時代です。これは、これまで常に周りと比較され、他人の顔色をうかがって過ごしてきた人にとってはチャンスなのです。今は他人との距離を取る“権利”が認められているのですから、堂々と自分自身を誰よりも大切にし、自分のため、自分が大切だと思う人のためだけに、フルに時間を使いましょう。もしかすると、この苦しい期間が『自分はどう生きていきたいのか』という究極の問いへの解を導き出してくれるかもしれませんよ。自分を取り戻すチャンスです」

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