人との別れに傷ついたときはどうすればいいのか。総合格闘家の青木真也氏は、「人との距離感や関係性は、惑星のように常に変化する。そう考えれば別れに傷つくことはない」という——。

※本稿は、青木真也『距離思考』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

部屋の窓から私物をぼんぼんと放り投げられた

人との別れを過剰に気にする人は多い。「自分が○○したから別れることになった」「相手から○○されたから別れることになった」など、別れの原因になったことをいつまでもクヨクヨと考えてしまうのだ。

あるいは別れる相手を恨んだり、憎んだり。僕は女性から別れ際に、

「呪います」

と言われたことがある。もちろん僕にも原因があったわけだけど、なぜかこれまでに数人の元彼女からこの言葉をかけられた。「呪ってやる」なんて、恐ろしいイメージだけど、複数から言われたということは、案外、その子たちが極端だったというわけではないのかもしれない。よくわからないけど。

青木真也氏
撮影=初沢亜利

僕は人間関係を「惑星」みたいなものだと考えている。

ある時期にはぐっと近づくけれど、また別の時期には逆に離れていったりと、その距離感や関係性は常に変化する。

どんなに距離が近くなった相手であっても、何らかの事情ができて以降は、それなりの距離を取らないといけなくなる。ファミリーや友人との関係に限らず、仕事や家庭においてもそうではないだろうか。

今は別居している妻と生活していたときのことだ。当時から仲は険悪だった。

ある日の深夜、逆上した彼女はとても感情的になって、僕の部屋の窓から僕の私物をぼんぼんと放り投げてしまった。

1階じゃなくて、アパートの2階だったから、「コイツすげえことするな……」と、呆気にとられたのを覚えている。