※本稿は『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)の一部を再編集したものです。
女性研究者が研究を深めてきた、女性の「間接的攻撃」
対人関係でトラブルが起きたとき、男は「直接的攻撃」すなわち暴力を用いやすく、女は「間接的攻撃」を使う。噂を流したり、友だちグループから排除したりといったことだ。
男の攻撃性は戦争から殺人まで、社会に大きな影響を与えるため、さまざまな視点から膨大な研究が積み上げられている。それに対してこれまでの科学は、女の攻撃性をずっと無視してきた。その理由のひとつは、研究者のほとんどが男で、女のことになど興味がなかったからだろう。
1980年代から「間接的攻撃」が関心を持たれるようになったが、当初の研究者はやはり男だった。それが2000年代になって、多くの女性研究者がこの分野に参入するようになった。