文春新書の新刊『女と男 なぜわかりあえないのか』の中で、過去、男性の攻撃性に比べて話題にされてこなかった女性の攻撃性が取り上げられている。男女共に魅力的な人は同性にイジめられやすいという研究結果があるそうだが、魅力的な同性を特に低く評価する人にはある共通項があったという。同性がいる職場で昇進や昇給を目指す読者は、世界各国の女性研究者が進めてきた同性間のイジメが起きる背景についてぜひご一読を。

※本稿は『女と男 なぜわかりあえないのか』(文春新書)の一部を再編集したものです。

オフィスで成功した競争相手の同僚を探している若い怒り嫉妬アジア ビジネスの女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/tuaindeed)

女性研究者が研究を深めてきた、女性の「間接的攻撃」

対人関係でトラブルが起きたとき、男は「直接的攻撃」すなわち暴力を用いやすく、女は「間接的攻撃」を使う。噂を流したり、友だちグループから排除したりといったことだ。

男の攻撃性は戦争から殺人まで、社会に大きな影響を与えるため、さまざまな視点から膨大な研究が積み上げられている。それに対してこれまでの科学は、女の攻撃性をずっと無視してきた。その理由のひとつは、研究者のほとんどが男で、女のことになど興味がなかったからだろう。

1980年代から「間接的攻撃」が関心を持たれるようになったが、当初の研究者はやはり男だった。それが2000年代になって、多くの女性研究者がこの分野に参入するようになった。