都内の大学はいまだにキャンパスでの授業を再開していない。このため授業はすべてオンラインだ。これで大学と言えるのだろうか。プレジデントオンライン編集部でインターンをしている大学4年生は「勉強の密度は確実に濃くなった」という一方、「これで大学生と言えるのか」と戸惑いを隠さない。本人のリポートをお届けしよう——。
学校のレッスンを見ている女子学生
写真=iStock.com/FilippoBacci
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想像していなかった「キャンパスに通わない大学生活」

私は都内の大学に通う大学4年生である。私の人生最後の学生生活は、思い描いていたものと全く異なるものになっている。

私は今年度、まだ一度も大学のキャンパスで授業を受けていない。

街中では制服を着た中・高校生を見かけることが増えてきたが、私の学部は「春学期中はオンライン授業」という方針を発表している。9月から始まる秋学期については、オンラインを基本として一部の授業は学校で行う予定というお知らせが来ていたが、まだ詳しくは知らされていない。

授業が始まった4月当初は「オンラインで授業なんてどうなるのだろう」と半ばワクワクしていたが、今では毎日家からパソコンに向かって授業を受けるのには少しうんざりしている。

一方で、去年までの自分を振り返ると、今のほうが勉強の密度が濃くなっていると感じる。

オンライン授業で「勉強の密度」が濃くなった3つの理由

その理由は3つある。

ひとつは「通学時間がなくなったこと」。私は今まで自宅から学校まで電車で1時間以上かけて通っていた。通学の電車が混むから1限はなるべく避けたいし、できる限り同じ曜日に授業を集中させて登校日を減らそうとしていた。

大学生は自分で時間割を組む。自由度が高い分毎年頭を悩ませる。1限をなるべく避け、かつ無駄のない時間割を組むことに毎年苦心していた。しかし、今年は家から授業を受けられるため、そんな悩みはなくなった。純粋に履修したい授業を取ることができている。