90分間の授業を45分間で済ませることができる

3つ目は「好きな速さで、何度でも聞けること」。

先生方には申し訳ないが、オンデマンドの授業は1.5~2倍速で視聴して時短している。時間が短い分、集中できると感じる。聞き逃した部分は巻き戻してもう一度聞く。このため授業の理解度は普段より深いようにさえ感じている。

オンデマンドだと授業を聞かなくてもばれないではないか、と思われるかもしれないが、そんなことはない。

毎回の授業を視聴したうえで、小レポートやアンケート、課題などの提出が課せられている。より詳しくいえば、「毎授業ごとに小レポートやアンケート・課題提出を求める先生」と「毎授業ごとには求めないが学期末に課題提出を求める先生」と「そのどちらも求める先生」がいる。結局、きちんと授業を聞かなければならない。

例年であれば、先輩や同期から「この先生は簡単なレポートだけで評価するから普段の授業は聞かなくても大丈夫」「テストは簡単だからテスト前日にレジュメを読めばいいよ」などの情報を手に入れてうまく手を抜くことができた。しかし今年は評価の方法が定まっていない授業が多い。大学に登校してのテストを受けるという形式は禁止されているからだ。

だから仕方なく(?)配信された授業を毎回きちんと見ている。

「掲示板」では普段の授業ではなかった質疑が盛んに

大学も先生も、工夫をしてくれている。

オンライン授業になってから、先に述べた学内システムに「掲示板」が設けられた。授業ごとに設けられており、授業を履修している学生と先生は自由に閲覧・書き込みができる。学生は、ここに授業に関する疑問点や、「もう少し大きな声で録音してください」といった要望を書き込んでいる。

私が履修しているある授業では、熱心な生徒が先生にいくつもの質問を書き込んでいる。先生も掲示板で返信していて、すでに20件以上のやり取りがある。先生や学生同士での対面のコミュニケーションは難しいが、掲示板で補われているところがある。むしろ普段の授業では生まれなかったやり取りかもしれない。

コロナウイルスの影響で学業がおろそかになってしまうのではないか、という懸念を耳にすることがあるが、オンラインという特性や先生の工夫により、十分に教育を受けられていると感じている。むしろ、私自身は例年よりもきちんと勉強している。