撤退時こそ前を向け!

「飲食店をたたむ」。後ろ向きなイメージのある言葉ですね。

飲食店のスケルトン化には、大きなコストがかかる。
飲食店のスケルトン化には、大きなコストがかかる。(PIXTA=写真)

しかしながら、お店をたたんでも人生は続きます。だからこそ、撤退時には最大限できることをやり、次の挑戦につなげなければなりません。

私は仙台・新潟を中心に開店・閉業のコンサルタントをしていますが、撤退の理由として最も多いのは経営不振によるもので、人材不足が経営不振のトリガーとなるケースも多くあります。

撤退時には「なるべく早くお店をたたみたい」と思うものです。ですが、テナントを借りていた場合は基本的に原状回復義務があり、撤退時にテーブル・椅子などの家具や厨房機器、カウンターなどの内装造作物をすべて撤去し、“スケルトン状態”と呼ばれるまっさらな状態で物件を不動産会社に引き渡さなければなりません。

当然ながら、撤去工事には多額の費用がかかりますし、撤退を急げば高い代償を支払う必要があります。

スケルトン状態にするためには、一般的なサイズの飲食店でおよそ100万円の資金がかかります。この撤退費用を抑えるためには、引き継ぎを希望する方に厨房機器や空調などの設備をそのままにお店を売却する、いわゆる「居抜き」での引き渡しが得策です。