韓国経由で侵入した危険なツマアカスズメバチ

たとえば、スズメバチによる死亡者は毎年2桁を超える。

在来種のスズメバチでは、民家の軒下などに営巣する攻撃性の強いキイロスズメバチの被害の報告が最も多かった。ところが最近、ツマアカスズメバチという外来種のスズメバチが韓国から日本に侵入し、警戒されている。キイロスズメバチよりも高い位置に営巣するので、駆除が困難だという。

このスズメバチは東南アジア原産だが、2003年に韓国の釜山で侵入が確認され、日本には対馬で2012年に初めて確認された。その後、福岡県、宮崎県、大分県でも確認され、昨年には山口県でも巣が発見され、徐々に日本国内に分布を広げている。

農作物を侵入害虫から守る防除員の見えない努力

直接、人を襲わないにしても、農作物の害虫として、私たちの食生活を脅かす侵入害虫も多い。

毎年、初夏になると中国南部から東シナ海を越えて日本に飛来し、稲に甚大な被害を与えるウンカ類や、最近では毎年のように東南アジアから南西諸島や九州に飛来して、ミカンやマンゴーなどの果物に被害を及ぼすミカンコミバエもいる。

日本の南西地域ではミバエの侵入を食い止めるために国と県による懸命な防除が、日本各地の稲作地域ではウンカの北上に警戒する地域の防除員が日々、努力を重ねて私たちの食生活を守っている。