前年同月比95%減の衝撃!壊滅状態の貸し切りバスの今後

――日本人で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、2020年1月末の奈良県在住のバス運転手で、バス業界は騒然となった。日本バス協会の調査によると貸切バスの運送収入は、前年同月比で20年3月81%減、20年4月92%減、20年5月95%減、そして20年6月の見込みが93%減と急降下。政府の緊急事態宣言を受け、休業を続けてきた「はとバス」も、深刻な被害の真っただ中にある。20年1月末以降、どのような状況だったのか教えてほしい。

【中村】はとバスの主力事業は、運輸業の「定期観光バス事業」「貸切観光バス事業」と旅行業の「企画バスツアー事業」で、2003年からは東京都の都営バスの路線バス業務も一部受託している。当社では、奈良県在住のバス運転手が感染したという20年1月末のニュース以降、貸切バスへの影響が徐々に出始めた。

20年3月25日に東京都から外出自粛要請が出て定期観光・企画バスツアーの運行を限定したが、その時点でほとんど乗客がいない状態だった。その後、政府の緊急事態宣言発令を受けて20年4月8日から、はとバスの定期観光バス3000便強がすべて運休し、バス事業は壊滅状態となった。平和島にある本社の車庫には約130台のバスが留め置かれており、こんな風景は初めてだ。