自己暗示で自分を奮い立たせる

正念場でどんな言葉を思い浮かべたり、唱えたりするのかも、アンケートで聞いてみた。その結果、宗教に関係する言葉と、気持ちがポジティブになる言葉が多いことがわかった。

無意識のうちに出てくる「神頼み」

宗教に関係する言葉では、「神様お助けください」「神様お願いします」といった、ストレートに神にすがる言葉のほか、日蓮宗などの「南無妙法蓮華経」、浄土真宗などの「南無阿弥陀仏」、曹洞宗などの「南無釈迦牟尼佛」といった、仏教の経文からきた言葉も目立つ。

また、「神様、仏様、ご先祖様」のような、日本ならではの神仏習合的な言葉もあった。なかには「御心のままに」「信じる者は救われる」のような、キリスト教由来と見られる言葉もある。「結果は神のみぞ知る」「人事を尽くして天命を待つ」なども、広い意味で宗教に関係した言葉といっていいだろう。

正念場で神仏にすがるということは、「自分でやれることはやった。あとは運を天に任せよう」という一種の割り切りで、前述の「運命は運命として受け入れる」という態度にも通じる。精神的な安定も、得やすいといえよう。島田さんは、「正念場で出てくる言葉というのは、無意識のうちに出てくる言葉です。宗教に関する言葉が多いのは、私たち日本人の生活に、神道や仏教といった宗教が、深く根づいている証左なのでしょう」と話す。

一方で、気持ちがポジティブになる言葉としては、「人間万事塞翁が馬」「笑う門には福来る」「明けない夜はない」のような、東西の故事やことわざがよく見られた。「自分を信じろ」「絶対できる」など、自分を奮い立たせるような言葉を挙げる人も多かった。

樺沢さんは、「言葉で自己暗示をかけるのは、精神を安定させ、マインドをリセットする、有効な方法の1つなんです」と説明する。さらに、「心理学では『アファメーション』といいますが、自己暗示で物事をうまく運びたいなら、肯定的な意味の言葉を選ばなければなりません」とも力説する。

「自分が発した言葉は、情動をつかさどる脳の奥の扁桃体という部位に影響を与えます。ポジティブな言葉なら、扁桃体もポジティブに反応して、感情が前向きになりますが、ネガティブな言葉なら、反対に感情が落ち込みます。ある心理学の研究では、『緊張する』と話した人は、『ワクワクする』と話した人よりも、テストの成績が10%も悪かったそうです」(樺沢さん)

心理学でも証明された「おまじないの言葉」の威力をぜひお試しあれ。

島田裕巳

島田裕巳(しまだ・ひろみ)
宗教学者

文筆家。1953年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。日本女子大学教授などを経て、現在は東京女子大学非常勤講師。『創価学会』『日本の10大新宗教』『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』など著書多数。

 

樺沢紫苑

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医

作家。1965年、東京都生まれ。91年札幌医科大学卒業。大学病院、総合病院などの勤務を経て、2004年から米国イリノイ大学に3年間留学。帰国後に樺沢心理学研究所を設立。『「苦しい」が「楽しい」に変わる本』など著書多数。

 
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(写真=横溝浩孝 図版作成=大橋昭一)