7週目にして「教師の講義」が1番評価に
4週目。講義は他の学びのリソースと同じように任意だということを、改めてはっきりと知らせた。出席しなくてもペナルティーはないと保証した。その週にはクラスの出席率は下がったが、満足度が最下位なのは相変わらずだった。その後2週間で参加人数は減っていったが、順位は変わらなかった。
そして7週目。なんとランキングがトップになった! だが喜びもつかの間で、データを見て気が抜けてしまった。それぞれのクラスの参加人数は2、3人しかいなかったのだ。どういうことなのだろう?
カギは「生徒に合わせた個別指導」にあった
参加した子どもたちは全員が、教師クラスを学びのリソースとしてトップにランクづけしていた。私たちは一人ひとりに個別に理由を訊いてみたものの、答えは一貫していた。
いわく ひとクラスの人数が多かったときには、教師の話の中に自分がすでによく知っているものも含まれていた。とくに訊きたいことや具体的にわからないことがあっても、その部分に到達するまで、自分には必要ない部分もじっと座って聞いていなければならなかった と。あるいは集中するのに時間がかかる生徒だと、話がよく理解できず、何かを学んだという気になれなかったという声もあった。
つまりは、帯に短したすきに長し状態になっていたのだ。だが7週目に、ちょうどいい長さになったというわけだ。
子どもたちによると、生徒が2、3人しかいないと、教師は事前に準備していた授業を行うのではなく、何が必要かを個別に訊いてくれたという。要は、個人指導である。ふだんの授業時間より短くても、子どもたちはまさに必要としていたことをちょうどいいタイミングで学べたので、授業を高く評価した。教師のように自分のことを理解してサポートしてくれるリソースは他にはない、という声もあった。
過去数週間、低評価のためにかなり居心地悪い思いをしていた教師側からしても、少人数の授業は満足度が高かったという。子どもたちが何でつまずいているのかをきちんと理解でき、意味のあるサポートを効率よく実践できたからだ。