中堅企業は雇用の46.5%

とくに数を減らすべきは小規模事業者でしょう。統計上、小規模事業者の多くは実効税率ゼロです。なかには追加の課税から逃れるために小規模事業者のままでいる会社もあるくらいです。じつは大企業も節税の知恵を働かせて税金を抑えています。国の宝として評価できるのは、大企業ほど工夫ができず、小規模事業者ほど監視が緩くない中堅企業です。小規模事業者は、せめて中堅企業にならないといけません。中堅企業は雇用の46.5%ですし、日本経済にとっては大変貴重な存在です。

人口減少の観点からして、小規模事業者の中でも中堅企業にはならない、なろうとしない、慢性的な赤字企業はただの寄生虫ですから、退場してもらったほうがいい。

新型コロナウイルスの補助金も小規模事業者にはいらないでしょう。起業してしばらくはどこも小規模なので、補助金があってもいい。しかし、設立10年を経過しても小規模のままで、これまで5期以上納税ゼロという会社に補助をする必要があるのでしょうか。無理に生き延びさせれば、日本がアフターコロナでふたたび立ち上がるときの足を引っ張るだけ。私は不要だと思います。

今こんなことを言うと袋叩きにされるかもしれませんね。しかし、誰かが言わないと日本は変わらない。コロナでいろいろなものが揺らいでいる時期だからこそ、長期的な視野で日本のグランドデザインをして、あるべき姿に近づけてほしいところです。

(構成=村上 敬 撮影=相澤 正 図版作成=大橋昭一)
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