そもそも医療費控除とは
医療費控除については、2月27日配信「薬代の約15%がお得になる『セルフメディケーション』の使い方」で書かせてもらった。ぜひ、この機会に、法律の原文を読んで一緒に考えていただければと思う。
所得税法第七十三条(医療費控除)
第七十三条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第一項の規定による控除は、医療費控除という。
第七十三条 居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。
2 前項に規定する医療費とは、医師又は歯科医師による診療又は治療、治療又は療養に必要な医薬品の購入その他医療又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
3 第一項の規定による控除は、医療費控除という。
第1項を要約すると、1年間のうちに自己負担した医療費が実質的に10万円を超えたとき、その年中に支払った医療費を所得金額から控除するということが書かれている。
第2項では、医療費とは、何を指すかについて説明している。
公益社団法人全日本病院協会のHP「医療費の仕組み」の「医療保険と医療費」の項にも、医療費について下記のように説明されている。
私たちは、病気やけがをしたときには病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などで診察・投薬・治療その他必要な医療サービスを受けることができます。この場合にかかった費用が医療費です。
後になってから医療費控除に認められた例も
繰り返しになるが、医療費控除の対象の大前提は、
「病気やけがをしたとき病院や診療所などの医療機関や調剤薬局などで診察・投薬・治療その他必要な医療サービスを受けたときに支払った費用」
ということになる。
そもそも、医療費控除は、納税者や納税者の家族が重い病気などにかかり、多額の治療費を払わなければならなくなった年の税負担を少なくするために制定された。
税法は、社会の実情に合わせて、毎年改正されている。所得税法の第73条では、予防という文字を確認することはできないが、後になってB型肝炎の予防接種のように、医療費控除として認められたものもある。
一定の条件を満たすことが必要であるが、心臓病患者がAEDを購入したり賃借したりした場合の費用が医療費控除に含まれる場合もある。
医療費控除の範囲は、今後もまだまだ拡大される余地はあると考えられる。