私が日本に帰ってきてからずっとやりたいと思っていたのが、この情報共有です。検視、検案をする人、医療従事者、葬儀や火葬にかかわる人たちが連携し、情報を広く共有することです。遺体と向き合う最前線で働く人たちの健康を守ることにもつながります。

「千歳介護医療連携フォーラム2019」登壇時
写真提供=橋爪謙一郎

最前線で遺体に向き合う人たちによる“横のつながり”

——早速、異業種の方々と連携して、具体的なアクションを起こされているようですね。

【橋爪】3月末に日本医師会のご支援のもと、友人である防衛医科大の医師と共に「ご遺体の搬送・葬儀・火葬の実施マニュアル支援プロジェクト」を立ち上げ、新型コロナウイルス感染症に対応するためのマニュアルを作成し、4月からは東京大学法医、千葉大学法医の医師、歯科医師、薬剤師、ジャーナリストを含めたプロジェクトチームを結成して、さらにマニュアルの改訂作業を行っています。また、オンラインで「新型コロナウイルス感染症対策セミナー」も開催しています。

今回の新型コロナウイルス感染症をきっかけに、死と向き合う葬儀の世界の人たちも意識を変えざるを得ませんでした。感染症の拡大を防止すると同時に、遺された家族が死別を受け入れるための心の整理に必要な「お別れの場」をきちんと持つことができるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。

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