「家主業」ほどいい商売はない

家主業のメリットにはいろいろあるが、最大のものは、従業員を雇うことなく、一人で経営できることだろう。組織の中で、時には理不尽な仕事もさせられる経験を持つ多くのサラリーマンにとって、自分の判断で経営できる家主業は、複雑な人間関係に伴う精神的ストレスが軽減されると同時に、一国一城の主としてのやりがいも感じられる。従業員を雇う代わりに、多くの会社と取引をしながら、賃貸住宅の経営に当たる。管理会社は、まるで自身のスタッフのように、わずか家賃収入の5%という管理料で動いてくれる。こんないい商売は他にはないだろう。

永井ゆかり『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
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不動産で資産拡大に成功してきた人の共通点は、まず、不動産ビジネスに関する正しい知識を身につけ、それをアップデートし続けることだ。また、決して無理な不動産の購入はしないこと。無理をしないために、自身で線引きの基準を持っている。家賃収入と返済比率の割合がこの程度になったら、いくらまでなら新規で購入しても大丈夫、預金が今このくらいあるから、金利がいくらの今なら買い時だという指標があると間違わないだろう。

そして、ここで紹介した家主の方たちの事例を見ればわかるように、家主業を始める前の職業での経験を「知恵」に変え、自身の「哲学」として賃貸経営に生かしている。家主に必要なのは、小手先のノウハウなどではなく、経営に関する知恵と哲学に他ならない。

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