本件をめぐる問題はヤラセの有無ではない

<「事実」が大事だと思うからコメントするけど、俺は何も指示されてないよ、忖度なしで。編集にはムカついてたけどな。>

皮肉なことに、木村さんが死を遂げた後も、出演者のSNSでの発信こそが、放送休止となった恋愛リアリティーショーに視聴者がより没入する肥やしとなっているのである。

本件をめぐる問題は、「ヤラセがあったか」の真偽を問うものではない。

むしろ、“ヤラセ感”のないように番組をつくり、SNSで話題になることによってここまで成長してきた恋愛リアリティーショーの構造自体を否定しなければならない局面にきているのだ。リングで活躍する女子プロレスラーとして活躍していた木村さんが、テレビという舞台の上でも活躍した結果、熱狂的な観客にあおられ、亡くなったとすればそれほど皮肉な話はないだろう。

私もリアリティー番組の文化をつくってきた人間の一人として、木村さんの死は重く受け止めざるを得ない。

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