法的保護の範囲が拡大し財産分与や慰謝料も可

図:事実婚でもケースによっては法律婚と同じ程度の保護を受けられる!
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図:事実婚でもケースによっては法律婚と同じ程度の保護を受けられる!

日本では、法律上、届け出が婚姻の要件とされているので、婚姻の社会的実体はあっても婚姻届を出していない事実婚(内縁)は、法律婚と同等の効果は本来認められません。

法律婚と事実婚の大きな違いは、次のような点です。まず、事実婚では婚姻によって氏の変更ができないこと。成年擬制(=未成年者が婚姻したときに成年者に達したものとみなされること。民法753条)がされないこと。また、姻族関係が発生しないこと、相続権がないことや、所得税の配偶者控除の対象にならないことなどです。

事実婚の男女の間に子供が生まれた場合(非嫡出子)、父親が認知するまでは父親とは法律上の親子関係が生じないので、その子供は母親の氏を名乗り、親権者は母親です。しかし、父親が認知をすると、子は父親の氏を名乗ることもでき(民法791条1項)、父親を親権者に変更することもできますし(同819条4項)、父親の相続人にもなります(ただし相続分は嫡出子の半分〈同900条4号〉)。

なお、非嫡出子は、戸籍上「男」または「女」と記載されていましたが、2004年11月以降は、「長男(長女)」「二男(二女)」等と記載されるようになりました。

しかし、婚姻届を出していないだけで夫婦の実体があるときには、判例等により、法律婚と同様の法的保護が与えられる範囲が広げられてきています。

まず、第三者、たとえば交通事故でパートナーを死亡させた相手に対する不法行為(同709条)による損害賠償請求権が認められています。また、事実婚の解消の際に、パートナーに対する財産分与請求権(同768条)や慰謝料請求権も認められており、財産分与については家庭裁判所に調停や審判の申し立てをすることができます。