首都クアラルンプールのスーパーで、マスクを付けて買い出しに来ていた女性。共働きが多いマレーシアだが、家庭の必需品は女性が買う姿が目立つ
撮影=海野麻実
首都クアラルンプールのスーパーで、マスクを付けて買い出しに来ていた女性。共働きが多いマレーシアだが、家庭の必需品は女性が買う姿が目立つ

コロナ対策で「ドラえもん」が炎上している

筆者の住むマレーシアでは今、「ドラえもん」が炎上している。

背景には「コロナ疲れ」がある。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため世界各地で外出制限が行われる中で、ストレスによるDV(ドメスティック・バイオレンス)被害が急増している。その状況は新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いマレーシアでも同じで、外出禁止令が2月中旬に出されてからDVの相談が急増している。

そこでマレーシアの政府機関(女性・家族・社会開発省)は3月30日、自宅での夫婦げんかや言い争いを避けるために、同国でも大人気のアニメ「ドラえもん」を引き合いに出したアドバイスをSNSで投稿した。夫婦で洗濯物を干しているイラストに次のようなコメントを付けたのだ。

「妻は『ねえ、あなた。これが洗濯物を干すときに洋服をつる正しい方法よ』とドラえもんの声をまねて、おしとやかにクスクスとはにかみながら、女性らしく笑いましょう!」

「妻は“ドラえもんの声”をまねて、はにかみながら笑いましょう」とアドバイスをして非難を浴びた投稿(マレーシアの女性・家族・社会開発省のフェイスブックより<現在は削除>
「妻は“ドラえもんの声”をまねて、はにかみながら笑いましょう」とアドバイスをして非難を浴びた投稿(マレーシアの女性・家族・社会開発省のフェイスブックより<現在は削除>

また、外出制限中の自宅での服装についても「あなた自身をいつも通りに仕立てましょう、お化粧をして、きちんとした服装を心がけましょう」とあり、「夫への文句は控えめに、妻はユーモラスな言葉やフレーズを使うべきだ」という投稿もしている。