「バーチャル社員」ならあなたを助けてくれる
でも、サラリーマンが副業として始めたばかりのビジネスで、「一緒にバスに乗ってくれる人」なんているのだろうか。
「社員」ではなく「バーチャル社員」ならば、それが可能になるのです。
世の中は今、空前の人手不足です。それはデータから見ても明らかです。国が公表している、有効求人数と有効求職者数の2018年のデータのうち、有効求職者数が有効求人数を大きく上回るのは事務的職業のみです。それ以外は有効求職者数がまったく足りていない現実が見えてきます。
いわゆる「優秀な人」「魅力的な人」のほとんどはすでにどこかの企業で働いていたり、自分でビジネスをやっていたりするでしょう。そんな人を小さな会社が普通に雇うことはまず無理です。けれど、「一緒にバスに乗ってくれる人」は、別に普通の社員でなくともよいのです。
先ほどの「借金玉さん」のときも、彼を私の会社で雇ったわけではなく、契約形態としてはいわゆる業務委託契約です。「つついさん」の場合は当初はアルバイト(それも最初は週1日だけ)で、のちに週4日勤務という条件で役員兼従業員となってもらいました。「はじめに」でもご説明した通り、私は、こうしたかたちも含めて、私の会社の仕事を一緒に進めてくれる人たちのことを「バーチャル社員」と呼んでいます。
正社員だろうが業務委託だろうが関係ない
「バーチャル」という言葉には「本質」という意味があります。私は、社員の本質はその形式ではなく、「会社のビジネスを一緒に進めて、貢献してくれること」だと考えています。ですから、役員だろうと、正社員だろうと、アルバイトだろうと、業務委託だろうと、1日8時間・週5日勤務でなくても、オフィスで働かなくても、この「会社のビジネスを一緒に進めて、貢献してくれる」人は、全員が「バーチャル社員」なのです。
実際、私の会社で一緒に働いている人たちは、業務委託契約の人もいれば、有期契約社員の人もいれば、パートタイム契約の人もいます。それぞれにお願いする仕事の内容やご本人の希望に合わせて、法令上の取り扱いも考えて適切なかたちを選んでいるだけです。北海道から九州まで、あるいは海外に住んでいる人もいます。東京にいるメンバーもオフィスに来る頻度はまちまちです。形式にとらわれず、必要なメンバーが、必要なときに、必要な仕事ができればよいのです。