柑橘類は全般的に花粉症の症状緩和が期待できる

沖縄特産として知られる柑橘類「シークワーサー」に豊富なヘスペリジンやノビレチンも花粉症の症状を抑える。ヘスペリジンはほかに青みかんやレモンなどの柑橘類、ノビレチンはぽんかんやカボスに含まれる。つまりは柑橘類は全般的に花粉症の症状緩和が期待できるということだ。ほかに「酢酸菌と乳酸菌」を一緒に取ると、鼻づまりの不快感を改善するという。

「一般的なお酢は、ろ過される過程で酢酸菌がほとんど失われています。黒酢や香酢、にごり酢、バルサミコ酢などならOK。これらのお酢で酢の物を作ったり、ヨーグルトで乳酸菌を取るといいでしょう」(同)

最後に、風邪をひいた際の漢方薬についてふれておきたい。新型肺炎やインフルエンザも恐ろしいが、春は一日の気温差が激しく、体調を崩しやすい時季。漢方薬はその人の体力に応じて選べるのがメリットだ。

普段胃腸が丈夫でたまたま風邪をひいてしまったという「体力がある人」は葛根湯かっこんとう麻黄湯まおうとう、しょっちゅう風邪をひくような虚弱タイプは桂枝湯けいしとう香蘇散こうそさんが適している。香蘇散は精神的に抑うつ傾向がある人や、「風邪かも?」というごく初期の段階にも効果がある。前出の渡辺医師が説明する。

「体力の有無は、熱が出るときに汗をかくかどうかでも判断できます。汗をかかずに熱が上がるタイプなら麻黄湯や葛根湯を、じんわり汗をかくなら桂枝湯です。どの漢方薬も3日飲んで効果が得られなければ、その薬が合っていないと考えましょう」

寒けが長引き、熱が出ない風邪の場合はトリカブト(附子)入りの麻黄附子細辛湯で体温を上げる方法もある。熱が下がっても咳などが残る場合は小紫胡湯しょうさいことう(体力がない人は柴胡桂枝湯さいこけいしとう)に切り替えよう。病後や少し疲れたときには補中益気湯ほちゅうえっきとうがお薦め。井齋医師は「インフルエンザの予防薬として利用している」という。免疫力を引き上げたいときに使える薬と覚えておこう。のどの痛みが強いときには桔梗湯ききょうとうや桔梗入りのトローチがいい。

風邪に使える漢方薬は免疫力を高めたり、過剰な炎症を抑える働きがある。逆にいえば、よく風邪をひく人はこの2つが弱まっていると自覚したい。

アレルギー性鼻炎&花粉症に効く漢方薬
(写真=PIXTA)
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