個人投資家がAIと戦うならこのエリア

では個人投資家は諦めればよいのか――答えは半分イエスだ。捕食者の生息域ではなく、いないところで投資を行うのが最良の手段ということだ。その1つが中長期を狙った投資だ。銘柄選定においては、その企業の成長力が大きな鍵になるだろう。中長期で目的のリターンが成立するまでには、HFTやAIが介入する場面があるかもしれない。だが、そのときの最良の選択肢は無視だ。企業が読み通りに成長さえすれば、株価は付いてくるのだから。

HFTはミリ秒の時間軸でトレードするのだから、値動きの幅が大きければ大きいほど有効に機能する。少し前の大塚家具や日産などがこの典型だ。スキャンダルを起こした企業銘柄は値動きが激しく、捕食者がもっとも好む生息域だ。逆にいえば低リスクでローリターンな値動きの小さい投資先に、捕食者は興味を示さない。具体的には「ETF」(上場投資信託)や、「原油ブル」(NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブル ETN)などだ。

人に任せたほうがいいという考え方もできるが、日本ではそれがうまくいかないのが実情だ。問題は銀行にある。日本の銀行窓口がお金を数える役割程度しかしないのに対し、海外の銀行では顧客ごとに「オフィサー」が付き、積極的に投資先をマッチングしてくれる。金融商品の選択肢も多い。顧客の求めに応じて好みのデリバティブを組成してくれる。この際、手数料や運用益の一部は、オフィサーの収入源になる。そのため、オフィサーは真剣に顧客の資産運用を行ってくれるのだ。

ここまで読んで、お金を儲けるためにはお金が必要なのかと思う人も多いだろう。それは正解である。お金を儲けたければ、お金がある場所にいなければならない。たとえばフェラーリにはオーナークラブがあり、そこにはフェラーリを購入するような富裕層が集まっている。その集まりには一般人が知りえない情報が落ちているチャンスがあり、よい投資に繋がるというのが好例だ。ヘタな投資を行って養分にされるくらいなら、こうした層に近づくための貯金こそ有効な自己投資の手段だと、私は考えている。

株式投資における情報の希少性の重要さ

投資を必勝にする要素が、希少性の高い情報であることは言うまでもない。1人より2人、2人より10人と、その情報を共有する人間が増えれば、情報価値は下がる。日本経済新聞に掲載された情報など、感度の高い投資家にとっては鼻紙以下である。したがって情報を持つ人こそが、もっとも価値の高い情報集積体ということになる。

私は「これは!」と思った高学歴の学生には惜しまず援助をする。中央省庁や金融機関、証券会社、一部上場企業などに就職した優秀な元学生たちは、私のアセット(資産)だ。600億円の利益を生んだ石油ビジネスへの参入も、大手証券会社に勤務していたあるアセットからの情報がきっかけだった。

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