株価が上がっても下がっても胸がドキドキ

もちろんプロが運用してくれる投資信託でもいいが、投資に慣れることが目的なら「個別株」投資がいいと藤原氏は言う。自分で選んだ特定企業の株を売買する投資だ。一般的には、投資信託よりリスクが高いとされるが、だからこそだ。「個別銘柄を自分で運用していると、ダイレクトに心がざわつきます」。株価が上がっても下がっても胸がドキドキ。だから必死に投資を学ぶようにもなる。経済新聞に目を通すのも日課になり、自然と仕事のスキルも上がってくる。少々の損を被ったところで、3大出費に家計を圧迫されていない20代なら耐えられるというものだ。

ではどの企業の株を買えばいいのか。投資初心者は多少なりとも馴染みがあり、事業内容を理解している企業に目を向けたい。藤原氏のおすすめはズバリ、「自分が入れなかった大企業の株」だ。高収入の会社に入社するのは狭き門でも、株なら買える。社員としてではなく投資家として、勝ち馬に乗ればいいのだ。

「言ってみればリベンジ投資ですね(笑)。自分を落とした会社の株主になるわけですから。買い増していくと、傷ついた自尊心も回復します」

いきなり個別株投資ではハードルが高いという人は、投資信託から始めてみよう。NISAやつみたてNISA、iDeCoなどで外国の株式や債券に投資するファンドを選べば、グローバルな視点も養うことができる。

「外貨預金からFXまで、外貨建て商品を持っていれば、その国に海外出張で行くのも楽しくなります。アジアなど発展途上にある国は若いうちのほうが行きやすいものです」

投資家の視点を持って海外に行く経験は貴重なもの。それを積み重ねることで視野が広がり、ビジネススキルも自然と上がるだろう。そのうえで転職すれば、年収アップも夢ではない。

藤原久敏
ファイナンシャルプランナー
大阪市立大学卒業後、尼崎信用金庫を経て独立。講演・執筆・メディア取材等で活動。著書に『あやしい投資話に乗ってみた』など多数。大学講師も務める。
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