家計圧迫は夫の「高級食」で高血圧、高脂血症のクスリ代も
典子さんに家計全般の支出状況を聞くと負担となっているのは、収入の約4割を占める住居費約13万円(賃貸マンションの家賃と共益費)。ただ、通勤に便利な立地などを考えると仕事を継続していくために必要な支出と判断しました。
一方、食費(7万3000円)や医療費(2万6000円)は一般のDINKS(共働きで子どもを持たない家庭)の家庭よりも高いように感じます。原因は、主に良英さんにありました。食にこだわる人で、牛肉であれば産地や等級への思い入れも強い。価格も高めのものを好みます。ところが、成人病(高血圧、高脂血症)を患っており、現在通院治療中。食事内容を制限することを勧められているそうですが、投薬料がバカになりません。
一方、典子さんはヘルシーな食生活をしていて、ジムなどに通って体力維持にも努めているそうです。健康観が夫婦で異なるようですが、夫が典子さんの暮らし方にもう少し合わせられると、健康の維持につながりつつ、食費を下げることが可能になるように思えます。
ただ、常に厳しく管理・制限をしていると息苦しいので、食事を控える時と、好きなものを食べてよい時のメリハリをつけることにしました。週末はちょっとカロリー高めな好きなものを夕食とする代わりに、平日は典子さんと同じ食事を食べるようにし、夕食の残りなどを弁当に詰め、会社での昼食にするようにしたのです。それにより、食費は月1万5000円削減できました
夫は週末の空き時間、つい間食してしまうとのことで、典子さんと一緒にジムに通うようにもなりました。その分、支出は増えますが(+5000円)、健康の維持という目的のためには良いと思えます。費用も削減した食費の中から支払うことができます。
家計のピンチ&妻の願望達成のため、夫は倹約を決意
そのほか、削減した費目は、サブスクの契約(2万4000円→2万1000円)や、被服費(洋服を購入する時期をボーナス時に集中、1万円→5000円)、娯楽費(主に妻の映画館消費、1万円→3000円)でした。
また、現在、夫婦別財布となっているため、夫婦の家計が1つになるように良英さんの月7万円の「こづかい」から生活費分(iDeCo掛け金、スマホ代、ランチ代など)を切り離すことにしました。純粋に自由に使える金額としていくら必要かを相談してもらうと、「3万円ほどで大丈夫です」とのこと。生活費分として使われていた4万円を家計に入れてもらうこととして夫が個人的に払っていた分を家計から支払うようにしました。
一方、弁当を手作りする機会が増えたこと、妻に連れられてスマホを格安なものに変えたことなどから家計の負担が増えましたが、額としてはさほど大きくなく、支出の削減額と相殺していくことで、最終的には全体で月に5万円ほどの余剰が出せるようになりました。それまでは1円も貯金できなかっただけに、大きな成果を得たといっていでしょう。
ボーナスも含めると、年間で100万円ほど貯蓄できる見込みができました。ボーナスのやりくり次第では、それ以上も目指せるかもしれません。これに加え、夫の元妻への仕送り額を減らせることができれば、その分も着実に自分たちの蓄えとなります。