ジャマイカでは電力会社に8割出資

商社のインフラ関連部門で稼ぎ出す純利益は底堅い!
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商社のインフラ関連部門で稼ぎ出す純利益は底堅い!

電力、水、鉄道、港湾といったインフラ(社会基盤)整備事業で、商社をはじめとする日本企業の海外インフラ事業が、今、好調な伸びを示している。実際、主要商社のインフラ関連部門の純利益はここ5年ほどで2~3倍に増加している。

経済産業省の推定では、世界のインフラ投資額は年間1兆6000億ドル(約145兆円)に達し、2005年から30年までの総投資額は41兆ドル(約3700兆円)との試算もある。主な舞台は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)をはじめ、中東やアジアなどの人口増と成長の著しい新興国だ。

野村証券金融経済研究所シニアアナリストの成田康浩氏は、「2000年代初頭から資源需要の高まりを受けて裕福になった新興国が国内のインフラ整備に乗り出した結果。資源価格に支えられた新興国の成長が止まれば、インフラ事業の伸びも止まる」と説明する。

一口に海外インフラ事業と言っても「丸紅はフィリピンや中東、三菱商事はインドネシア、三井物産はブラジル、伊藤忠は中国」というふうに得意な国・地域がある。事業内容は、「ほとんどが電力で、利益の8~9割はIPP(電力会社への電力卸供給)事業です」。

IPP事業で、国内勢では圧倒的な持ち分発電容量を誇っているのが丸紅だ。例えば中東ではアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで2000メガワット級の「タウィーラB」発電造水事業を足がかりに実績を重ねている。これが縁で、アブダビの投資会社と組んで中米ジャマイカの電力事業を手がけるようになった。丸紅の電力・インフラ部門長の柿木真澄執行役員は、「意外にも中東での信頼関係がきっかけでカリブに仕事が広がりました。ジャマイカでは、丸紅は8割を持つオーナーとして国内全電力の発電から料金徴収まですべて手がけ、会長もうちから出しています」と言う。