オフィスにあるパソコンやコピー機、をよく見てほしい。「○○リース」といったシールが貼られてはいないだろうか。自動車販売会社の広告でも「リース」をうたったものが目につく。一方、三井リース事業と協同リースが経営統合を発表するなど、リース業界再編のニュースも相次ぐようになった。今回は会計の世界から、このリースを覗いてみよう。まず、会計上のリースのメリットから考えてみたい。

(1) 多額な設備の購入資金を必要とせず、金融機関の融資枠を手付かずにしておけるため、事後の資金調達が助かる。
(2) 設備を購入してしまうと、その後により性能がいい設備が開発されても、減価償却が終わるまではおいそれと買い替えできない。しかし、リースなら期間が柔軟に設定できることもあり、早期に最新鋭の設備に切り替えられる。
(3) 設備を購入するとかかる償却費計上の事務負担、そして固定資産税の申告納付や保険などが不要になる。
(4) リース料を全額経費として落とすことができる。
(5) リースで導入した設備は、基本的に貸借対照表の固定資産として計上しない、つまり「オフバランス」として処理できる。この結果、後で詳しく解説するが、「ROA」などの財務分析指標の悪化が回避可能となる。

(ライヴ・アート=図版作成)