周囲の評価はね返すため一念発起「東大とハーバード大」W合格

それで、母の実家のある富山の進学校に転入したんですが、その高校にも広島での話が回っていて、軽音楽部には入れないことになっていたりと、自由にやれない状況でした。そこで、それをはね返すために猛烈な受験勉強を始めたんです。東大を目指して成績を上げると、学校の監視が緩まったんですね。

結局、東大とハーバードに合格して、東大に少し通ってからハーバードに入学しました。ハーバードに入ってからがまた大変で。とにかく文系か理系かを問わず、「疑って、検証し、議論する」が基本で、勉強のプレッシャーがものすごかったんです。

写真=iStock.com/mizoula、demerzel21
※写真はイメージです

たとえば、物理で使う波動方程式。日本の大学なら、たぶん覚えて使うだけの話だと思うんですが、ハーバードではその方程式を完全に理解するために、数学の微積分の根源を理解することが必要だとして、アイザック・ニュートンの昔の論文を読まされるんです。

そのうえで、なぜ彼が「微分」という考えに至ったのかを徹底的に考え抜き、字数無制限でレポートにまとめて提出しなくてはならない。資料をつなぎ合わせたようなものではダメ。自分なりの理解を論理立てて書き上げても、「論理の飛躍がある」「乱暴な一般化である」と真っ赤に添削されて返ってくる。

ハーバードでのどん底体験があるから辛いことでも耐えられる

あとは学生同士のディベートの授業。スパルタ訓練みたいで、もう心身ともに疲労困憊して、好きだった理系科目も嫌いになり、最初の学期が終わった時点で燃え尽きちゃった。

寮にはいるけど半分不登校みたいになって、夏休みもほかの学生がサマースクールやインターンに行っている間ぼんやり部屋にいて。休みが明けて次の学期が始まった頃にはますます差がついて。同じような学生はほかにもいました。ハーバードではよくあることで、燃え尽きた学生向けのカウンセラーが学内にいるんです。

結局3年、学校を休み、リセットしました。復学したあとは、電子音楽と映像を組み合わせた前衛芸術を研究することにしました。ちょうどそのころ前衛アニメーションの女王といわれた人がハーバードで教えていて、僕のための特別コースを作ってくれました。それで卒業できたんです。大変だったけど、ハーバードでのどん底の体験があるから、どんな辛いことでも耐えられるという自信がつきました。

(文=川口 昌人)
【関連記事】
不登校児を東大に合格させた親のスゴい声かけ
東大生がやっている「頭が良くなる3ステップ」
東大生が多くの科目でも小器用にこなせるワケ
プロ家庭教師が教える「男の子を伸ばす」方法
「教育熱心な親の子」が4年生で潰れる根本原因