フルマラソンの適温は10度前後。20度でも暑い
フルマラソンは、トップ選手がタイムを狙うには気温10度前後が望ましいといわれている。20度でも暑い。30度は言わずもがなだ。夏マラソンは42.195kmを速く走るという能力ではなく、別の要素が求められてくる。暑さ対策がポイントとなるレースが、「世界一決定戦」にふさわしいだろうか。
真夏の東京と札幌の気温を比較すると、最低気温・最高気温ともに札幌のほうが4~6度低い。だが、マラソンに不適な気温20度台には到達してしまうだろう。開催地が東京から札幌へ変更となったところで、タイムへの興味はほとんど失われてしまう。
それならば、いっそオリンピックや世界陸上からマラソンという競技そのものを除外してもいいのではないか。なぜなら、そこに“本当のチャンピオン”は誕生しないからだ。マラソン除外が難しければ、東京五輪のマラソンと競歩は、開催時期を大幅にズラして、たとえば11月に行うという手もあるのではないだろうか。
過去の世界大会を振り返っても、記憶に残っているランナーは圧倒的な強さ、スピードを見せた強者だけだ。真の王者が誕生するマラソンを見たいファンは筆者だけではないだろう。