他業界と今の仕事をリンクさせられるか

2つ目と3つ目の「職種のスペシャリスト」と「業界のスペシャリスト」になるためには「本質的なことを見極める視点」と「アナロジカルに考える(=類推する)能力」が欠かせません。

常に今の職種や業界における本質を考え、「ほかの職種や業界における今の仕事との共通点はどこか」、「今やっていることを転用することができないか」と考えながら、日々の仕事をこなすことでこうした力が身についていきます。

キャリアップという言葉は一般的になりつつありますが、平々凡々と今の職種や業界の仕事をしているだけでは、成しとげることはできません。常に自分の先にある選択肢を見据えて行動することが必要です。

もちろん、この3つの道筋だけでなく、職種や業界のスペシャリストになって独立・起業するというキャリアもありますが、僕はあくまでサラリーマンをベースに考えるのが現実的だと思うので、この3つのルートを紹介しました。

石の上にも3年働く必要はない

「石の上にも三年」という言葉があるように、仕事においても「とりあえず3年は働いたほうがいい」という声をよく聞きます。入った会社で3年はガマンしないと「履歴書に傷がつく」という意見です。

でも僕は1年半しか会社に在籍しなかったこともありますが、年収を上げて転職をしています。現在はサラリーマンとして年収1500万円、副業では年収4000万円を稼ぐことができています。副業は転職経験を活かした情報発信で、「転職アンテナ」というブログメディアのアフィリエイト広告が9割、個人で書いているnoteの収入が1割です。

①サラリーマン(本業)
年収:1500万円
業務内容:ベンチャー企業にて営業部長。
②ブログメディア運営(副業)
年収:4000万円
業務内容:主に転職に関する情報を発信するブログを立ち上げ、コンテンツを執筆。そのほかにもTwitterやVoicy、noteでも転職や年収、キャリア、副業について情報発信している。ブログ上に表示されるアフィリエイト広告が主な収入源。

大事なのは「在籍期間」ではなく「期間における中身」です。ツラいことを3年間ガマンすれば、必ず高い能力がつくというものではありません。面倒見の悪い上司の下で、言われたことだけを3年間こなしてきた人よりも、1年間を自分の成果に費やしてきた人のほうが市場価値を上げられるのは明白です。

能力の低い上司や同僚に囲まれてだらだら過ごす1日と、自分の能力を高めてくれる優秀な上司の下で過ごす1日は「密度」が違います。後者は、例えるなら「精神と時の部屋」です。

精神と時の部屋は、漫画『ドラゴンボール』に登場する修行部屋のことで、この空間では、外の世界と時間の進み方が違う設定になっています。精神と時の部屋では、1年が外界の1日に相当します。ゆえに、この部屋で修行をすれば、1年分のパワーアップを1日でできるのです。