嘘つきは一度しか稼げないが正直者は何度でも稼げる

一度人を騙すと、それが周囲の人間に伝わってしまい、さらにマーケットを狭めてしまいます。また他の地域に移っても、同じことをすれば、「マーケットを失う」ことになるでしょう。

真摯に顧客と向き合う、頭がいい人は、このような理由でマーケットを縮小させるようなことはしません。つまり詐欺師や嘘つきは一度しか稼げませんが、正直者は何度も稼げるということです。しかも、だから詐欺師は儲からないのです。

諸説ありますが、ひとりの人間は、おおよそ「100~250人」の親しい友人を持っていると言われています。ひとりの人を騙すとその人のすべての友人に伝わるとしましょう。仮に150人として計算した場合、現在の日本の人口1億2622万人(2019年3月時点)を150で割れば、一度に騙せるのは、「84万1466人」だとわかります。

実際には、同時に人を騙すことはほぼ不可能ですから、これは幻想の数字です。

詐欺師の稼ぎ方は割に合わない

通常、詐欺事件が起こった場合は、個人のネットワークを超えて、メディアなどでも報道されますから、最終的には、結構残念な数字になってしまう。10分の1なら8万4146人、100分の1なら、8414人です。

この数字に商売の単価を掛けるわけですから、ひとり1万円騙したくらいでは儲からないです。リスクに見合わない。

だから、歴史的な詐欺事件は、大勢から少額ではなく、少数の人間から多額のお金を騙し取る事件になるのです。騙せる人がどんどん少なくなっていき、ご想像の通り、詐欺師の最後はお縄になるか、コソコソと生きていくことになります。

捕まらなくても、コソコソと生きている以上、生活の質が下がるのは、当然のこと。こうやってきちんと計算すれば、「詐欺は割に合わない」ことがよくわかると思います。

では、正直に商売をした場合を計算して見ましょう。

仮にお客様の数が詐欺師が一度に騙せる人数の1/10である841人からスタートしても、月1回(=12回)のリピートで841×12=1万92人分の収益になります。10年ご愛顧いただければ10万920人分です。

さらにすべてのお客様が10人を紹介してくれれば、100万9200人分になります。

ひとり100円使っただけで、約1億の収入になります。1000円なら、約10億、1万円なら、約100億になるのです。だから、結果的に嘘をつく詐欺師より、正直者の商売人の方が儲かるのです。