私たちは「人の行動の原因を、その人自身に求めたがる」性質があり、相手の行動ばかりを見て、状況的な原因に目が行きにくくなります。
相手の行動だけを手がかりにして、その人の性格や気持ち、自分との関係性をイメージし、原因として捉えてしまうのです。これを「対応バイアス」といいます。
対応バイアスが働いてしまうと、「誰だって既読スルーすることはある」と考えたり、「相手はメッセージを返信できない状況にあったのかもしれない」と相手が置かれていた状況を冷静に考えるところにたどりつけません。
このように、既読スルーを「する人」と「される人」では感覚のズレが生じがちです。
考えすぎてドツボにはまらない
では、相手の既読スルーが特に気になるのはどんなときでしょうか。それは、相手が自分にとって重要人物であるときです。大切な人が何を考えているか、自分のことをどう思っているかはとても気になりますよね。なるべく嫌われたくありません。そうすると、2人の関係を取り巻くリスクに敏感になり、既読スルーすら関係が壊れる予兆に見えてしまうのです。
また、人間の心には、ネガティブな出来事のほうが記憶に残りやすいという特徴もあります。1度でも既読スルーで痛い目に遭った経験があると、たとえほとんどの既読スルーはどうということもないものだったとしても、そのたった1度の経験が疼いて、「またあんなことがあったらどうしよう」と不安になってしまいます。
まとめると、LINE既読スルー問題は、多くの場合、相手の心を過剰に読むこと、考えすぎることから起きています。もし既読スルーをされたとしても、まずは気にしないのが一番! でも、どうしても気になるようなら、相手にそれを正直に告げて、「既読後の対応ルールを作ろう」と提案してみてはどうでしょうか。