日本を訪れる韓国人が激減している

実際、7月以降、日本を訪れる韓国人は激減している模様だ。

2018年1年間に韓国から日本を訪れた訪日客は753万人。トップの中国(838万人)に次いで2番目に多い。東日本大震災で訪日客が激減した2011年を底に毎年増加を続け、2018年は前の年に比べて5.6%増えていた。

それが今年は一転してマイナスになりそうだ。1月から6月までの韓国からの訪日客数は386万人で、前年同期に比べて3.8%減少した。6月は0.9%の増加だったが、7月は前年の60万7953人をどれくらい下回るかが焦点になりそうだ。

韓国にとっては、日本に行って外貨を落とされるよりも、国内にとどまって国内で消費してもらう方が経済にプラスになる、と考えているのかもしれない。

不買運動も、通貨危機に直面する韓国にとっては、必要な政策ということかもしれない。というのも、日韓の貿易収支をみると、韓国の方が大幅な貿易赤字になっているためだ。今年1月から6月の貿易統計では、日本から韓国への輸出が2兆6088億円、韓国からの輸入が1兆6228億円で、差し引き9859億円の日本の黒字になっている。日本からの輸入を減らすことは、外貨流出を防ぐことに直結する。

日本ボイコットは経済的にプラスではない

ちなみに6月末までの上半期では、韓国向け輸出は11%減少、輸入は7.4%減少と、貿易は「縮小」している。7月以降、さらに日本からの輸出が減るのかどうか、注目点だ。

もっとも、こうした日本ボイコットは、短期的には韓国経済のプラス要因かもしれないが、中長期的にみれば、バカげた話である。というのも、日韓関係が悪化すれば、日本から韓国への訪問客も減る。

報道によると、今年3月に日本から韓国を訪れた人は37万5000人に達し、月別で1965年の国交正常化以来の最高を更新した、という。若者世代を中心に韓国への関心が高まり、交流人口が大きく増えていた。そんな矢先に、政治を舞台に日韓関係の悪化が進んだ。

韓国中心街の明洞(ミョンドン)などは多くの日本の若者でにぎわう人気のエリア。もちろん、そこで落とされる外貨は韓国経済にとってプラスに働く。前述の通りに掲げられた日本ボイコットの旗が、地元商店主らの抗議によって数時間後に外されたのは、当然のことだろう。日本からの訪問客を排除すれば、自分たちの利益が損なわれるからだ。