希望の部屋が見つかる可能性
同じことが住まい探しにも当てはまる。賃貸物件を探す際、間取り、予算、最寄り駅からの距離などを考慮する。しかし、希望にかなう駅近物件は少ないのが実状だ。そこで徒歩5分、7分、10分とエリアを少しずつ広げていく。徒歩5分を10分に広げると、歩く距離は2倍になるが、物件数は2の2乗の割合で増えるので4倍になり、希望の部屋が見つかる可能性は大きく広がるだろう。
また、あなたが独立して自分のカフェを経営するとしよう。人通りの多い駅周辺は賃料が高くて厳しい場合でも、徒歩5分、10分とエリアを広げれば、同様に物件が見つかりやすくなる。ただし立地が不利な分、店のレベルやコンセプトがより重要になるだろう。
「距離」という1つのデータが「軒数」に大きな影響を及ぼす。「データセンス」を磨くには、データの裏にあるロジックを常に探る姿勢が大切だ。
(構成=田之上 信 写真=iStock.com)