急成長したタクシー車内の動画広告
スマホで動画に触れることがあたり前になると、テキストのみのコンテンツはイマイチ目立たなくなってしまいます。それはスマホの中だけに限ったことではありません。街には今、急激にデジタルスクリーンが増えています。
たとえばタクシー。乗り込み座るやいないや目に飛び込んでくるのは後部座席のモニターですよね。従来のタクシーの後部座席には、育毛やダイエット、体臭ケアのようなコンプレックス解消のための商材チラシが置かれているのがふつうでしたが、今やタブレット端末が設置されてタレントが出演するCMが流れています。商材は企業経営者向けのITソリューションが多いようです。こんな状況を想像していた人はいないでしょう。もちろん僕もその1人です。
いち早く参入した「Tokyo Prime」(株式会社IRIS)を知った時、私は「本当に人々はタクシーの中で動画を見るのだろうか?」という懐疑的な気持ちでしたが、それは完全な間違いでした。
「Tokyo Prime」は多くの企業からメディア価値を認められ、広告出向が止まらないほど急成長しています。その後、DeNAやベクトルなどの大手企業が参入。こうした変化がたった2~3年のうちに起きているのは驚くべきことです。
タクシーはそれまで動画を流す価値のない場所であったのに、インターネット回線とタブレットというテクノロジーによって、それが大きく変貌しました。このようにテクノロジーが社会の構造を変え、そこに新しいメディアが生まれることで、人々の生活は変化していきます。
メディア化するインフルエンサーたち
誰しも10年前は、定期的に読んでいた新聞や雑誌、TV番組の数が、今より多かったのではないでしょうか。
現在、多くの人は雑誌や番組単位でコンテンツを見るのではなく、興味のある人やモノを直接フォローするようになっています。つまり、@や#をフォローする時代になっているのです。
ゴルフの情報が知りたければ、YouTubeで関連映像を見てフォームを真似る。グッズを探したければ雑誌を買い漁っていたあの頃と違い、選手やショップのアカウントをフォローして情報を得る。このように、世の中はSNSが最も重要なメディアに変化しつつあります。
SNSは個人単位で成り立っています。私自身、去年一年間でTwitterのフォロワー数が0人から2万人に増えました。SNS自体が個人をエンパワーメントする思想でできているからです。
では、SNSで商品やサービスを広めたい企業はどうすればいいのか。かつてはTVにCMを大量に流せば多くの人にリーチできましたが、TVを見ない若者世代が増えた今、SNSでのマーケティングは必要不可欠です。
そんなSNS上で若者達が注目しているのは、メディア媒体ではなく、個人=インフルエンサーです。つまり、メディア化したインフルエンサーの発信力をうまく活用しながらマーケティングしていくことが重要な時代になりました。
そして、彼らの発信を最大限に活用するために、もう1つ大切なことがあります。そう、動画です。