とくに大量にお酒を飲ませた後の勢いでのセックスは、決して許されません。性的同意を得られていないと判断されます。

そして性的同意は、初めてセックスする相手に限りません。たとえ結婚している夫婦であっても、セックスを無理強いすると、犯罪になることもありえます。

世界中で拡散された「紅茶と同意」の例え

ではいったい、何が問題になり、何が同意となるのか、と考えた時に、わかりやすいのが、一時期SNSでも広く拡散された、イギリスの紅茶の例です。

これは、イギリスの警察が2015年に公開した動画で、性的同意についてとてもわかりやすく解説されています。日本語訳されたものもあるので、YouTubeで検索して、ぜひすべての男性に(女性にも)見てもらえたらと思います。

この動画は、性行為の同意を、紅茶にたとえて解説しています。短くまとめると次のような内容となります。(「Tea and Consent」─Thames Valley Police─

・あなたが誰かに紅茶を淹れても、相手が飲む義務はない。
・「紅茶はいかが?」とあなたが尋ねて「いただきます」と相手が答えたのに、いざあなたが紅茶を出すと「要らない」と言われることがある。その場合でも、相手に紅茶を飲む義務はない。
・相手が酔っていて意識がないときは紅茶を淹れない。意識のない人は紅茶を飲みたいと思わない。
・相手が「紅茶を飲みたい!」と言ったあとに意識がなくなったら、紅茶を飲ませてはいけない。意識不明の人は紅茶を欲しいとは思わない。
・「紅茶を飲みたい!」と言って飲みはじめ、飲み終わる前に意識がなくなったら、紅茶を飲ませてはいけない。
・「紅茶を飲みたい」と先週言っていたとしても、常に紅茶を飲みたいわけではない。
・紅茶と同じようにセックスも相手の同意と承認、納得が必要なのは当然のこと。

“ホテルで2人きり=同意した”とは限らない

いかがでしょうか。性的同意が、いったいどんなものか、イメージできたのではないでしょうか。僕も、この動画の内容には全面的に賛成です。これはたとえば、デートの後にホテルに行って2人っきりになったからといって、セックスしてもいいとは限らないということです。

彼女が生理になってしまったので、そういう行為はしたくないなと思ったら、そこは我慢しなくてはなりません。生理といった物理的な変化ではなく、「なんとなく嫌になった」と言われた場合も同じです。「ホテルまで来たのに、セックスさせないなんて!」と怒ってはいけないということなのです。

とくに、気をつけなくてはならないのは、この動画でも何度もリピートされていた、お酒が入って意識があやしい時ですね。今、日本で問題になるケースでも、お酒やドラッグで意識がなかった場合が少なくありません。セックスをしたい相手とは、できるだけ深酒しないくらいの気持ちでデートしたほうがよさそうです。