「また一緒に仕事をしたい」と思ってもらえる人になるには、どうすればいいのか。経営コンサルタントの三坂健氏は、「周囲に好まれるタイプのビジネスパーソンには『旗揚げ力』『本音ブッコミ力』『人を動かせる力』という3つの共通点がある」と説く――。

※本稿は、HRインスティテュート『全員転職時代のポータブルスキル大全』(KADOKAWA)を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Pixfly)

人や情報が集まる「旗揚げ力」

コンサルタントとして、企業に勤める人材と多く接していて思うのは、どんな時代であれ、最後は「気持ちよく働ける人」が最強だ、ということである。一流、トップといわれるビジネスパーソンの多くはこの特性をもっている。本稿では、周囲が「あの人との仕事は良い。また一緒に働きたい」と感じる人の特徴を3つ紹介する。3つの特徴は、そのまま私たちの仕事に応用可能なスキルとなる。

「あの人と一緒に働きたい」と思う人の特徴その1は、「旗揚げ力」だ。このスキルをもつ人は、味方と情報を集めることができ、ゆえにプロジェクトの成功確率が高い。

これまでの仕事を振り返ると、会社で新しいことを始めようとしたが、人も情報も集まらず、周りからの理解も得られずに苦しい思いをしたという経験がある人もいるだろう。そんなあなたの想い、もっと言えばあなたが始めようとしたことは、もしかしたら、「周りにはほとんど知られていなかった」かもしれない。

何かを始めるときには、必ず「旗」を揚げるべきだ。なぜなら、その旗を見て興味をもった人たちが情報をもって集まり、応援してくれるようになるからだ。これが成功の鍵となる。

目的が達成できない原因が「気づかれない」であることは意外と多い。

あなたが社内でプロジェクトチームを立ち上げるのなら、真っ先にすべきことは、そのプロジェクトチームの存在を社内によく知ってもらうことなのだ。

旗を揚げると応援ムードが高まる

私の同僚に、タイ事業をスタートさせようとしているメンバーがいる。彼がまずやったことは、名刺に「タイ事業推進担当」という肩書を勝手に入れ、会議で発表するときのあいさつを「サワディーカップ」に変えたことだ。

それにより、名刺交換をした8割の相手から「タイですか!」と突っ込まれるようになったそうだ(残りの2割には、自分からタイの話をするという)。そして、当社の他のメンバーがタイに関する情報を入手したら、自然とそれが彼に伝わるようにもなったし、関連する人材も紹介してもらえるようになった。さらには、当社オフィスがある原宿近辺のタイレストラン事情にもやたらと詳しくなったという。

何より、旗揚げの一番の成果は、タイ新規事業を応援しようという社内の空気感が強まったことだ。