自分と反対の意見を持った人を説得するには、どうすればいいのでしょうか。現役東大生の西岡壱誠さんは「相手を否定してはダメ。対立するのではなく、つなげることを意識して、情報を出していくことが必要です」と説きます。その方法とは――。

※本稿は、西岡壱誠『東大ドリル“なぞなぞ”&“身近なテーマ”で楽しみながら「自分で考える力」を鍛える』(ワニブックス)の第4章を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/MaRabelo)

相手と自分の立場をつなげる「論理的思考力」

「論理的思考力」は、「客観的思考力」の先にある能力です。「客観的思考力」で相手の立場に立った後で、その立場と自分の立場とを「繋げる」能力のことを指します。

相手が抵抗感を持っているものを薦める、あるいは立場が対立している場合に説得しなくてはならないなど、相手と自分の距離が遠いときに必要になってくるのです。

問題を解いたり、人に何かを説明したりするには、「距離を近付ける」というのが肝要です。ゴールを自分に近付けたり、スタートからゴールへと近付きやすくしたりして、距離がゼロになったらゲームクリア。これが全ての問題を解く鍵であり、どんな人にも伝わりやすい言葉を話す一番大切なテクニックなのです。

というわけで、ここでは「スタートの情報を増やし、相手と自分を近付ける」ということをしていきましょう。

定番の論争をどう解くか

例えば、こんな問題をみなさんはどう解くでしょうか?

【問題】
あなたは修学旅行で海に行きたいと思っています。しかしクラスの友達は山に行きたいと言うので、意見が対立してしまいました。
山に行きたいと言う友達を、どんなふうに説得すればいいでしょうか?

「海vs山」「たけのこvsきのこ」「コーヒーvs紅茶」「巨人vs阪神」……世の中にはいろんな論争が存在しますね。その多くは、両方ともいいところ・悪いところがあり、甲乙つけがたいものです。

そんな中で、古来より議論のタネになってきたのが「海vs山」。今回の問題は、山派を説得して海へ行こうというものです。普段山派の人も、今回の問題だけは海派になって、挑戦してみてください。