1フレーム目から映し出されるカメラや信号とスピード感を持って現れるタイポグラフィの文字。時間にしてたった9秒ですが先ほどの35秒かけていた映像と伝わる情報量は同じですよね。

ここに情報の凝縮が存在しています。私はこの時間に対する情報の凝縮のことをインフォメーション・パー・タイム(information per time)、約してIPTと名付けて啓蒙してきました。このIPTという考え方はスマホの登場前には考えられないことでした。

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1秒以内に将来の恋人を選ぶ時代

なぜ今、IPTに注目する必要があるのでしょうか。

スマホ・インターネットのコンテンツが登場する以前、僕たちは今よりも1日に触れるコンテンツ量はずっと少ないものでした。映像のコンテンツを楽しもうと思ったらテレビをつけ、文字のコンテンツを楽しもうと思ったら雑誌や本を開く。そういった選択肢の少ない中から自分の時間を潰すためのものを選んでいました。

しかし今はどうでしょうか。手の中でひっきりなしにLINEやビジネスツールの通知があなたを追い立てます。1日2回、ニュースアプリは律義に通知をくれるし、フリマアプリに出品したゴルフバッグの購入者からは発送催促の連絡がくる。

令和の時代に生きる僕たちは10年前では考えられないような情報の渦の中に生きています。そこに先ほどいったような35秒かけてやっと理解ができるような映像が入ってきてもあなたは目も止めることもなく人さし指を下から上にスクロールしてそのコンテンツを無かったことにしてしまうのではないですか。

スマホがコンテンツに触れる中心となった今の時代、1秒以内に見ている人の心をつかむような表現がとても重要になってきています。その尺度を測る基準がIPTです。

近年では、男女のマッチングアプリがはやっていますよね。画面に出てくる異性がアリかナシかを判断するその時間すら平均0.8秒と言われています。

1秒以内に将来の恋人を選ぶ時代、映像から動画への進化は必然なのです。