急増するデジタルスクリーン

今、急速に数を増やしているのはテレビのスクリーンではなく、タクシーの車内・駅構内や電車の中といった移動空間でのサイネージなどの新しいデジタルスクリーンです。

自宅で今から2時間ほど視聴するテレビのスクリーンと忙しい中で使わなければいけないモバイルのスクリーン、せわしなく移動している中で目にするデジタルサイネージ。前者に比べ、後者に流れるのは映像ではなく動画であることがおわかりいただけると思います。

若者がTV離れをしている今、動画をつくる重要性が増していると考えています。僕はそういった社会の中で動画において一番頼りになる会社をつくることがミッションなのではないかと考えています。

ですから僕の会社、ONE MEDIAでは大きく分けて、3つの仕事をしています。

まずは動画の企画と制作です。前項でお伝えしてきたようなノウハウは実は動画を制作する上で非常に初歩的な基本の「キ」です。ONE MEDIAでは愚直に動画に向き合ってきた5年間に動画のノウハウやナレッジを蓄積してきました。これを使い、クライアントの抱える課題を動画でどのように解決できるのかということを考え実際に制作を行います。

直近では、トヨタ自動車の案件があります。

平成から令和に切り替わるタイミングで、平成30年間のトヨタの歴史をTwitterなどのSNSを通して若い人に伝えたい、メッセージ性のある動画を制作してほしい、とご相談をいただきました。

そこで僕らは若者から支持を受けるゆうこすさん、kemioさんなどの平成生まれのキャストを起用し、彼らが過ごした平成という時代と車をからめた動画で表現しました。その結果、ふつうトヨタのコンテンツに触れている年齢層は40~50代が中心でしたが、10〜20代の方が多くアクセスするようになりました。

一貫した世界観でコミュニティをつくる

2つ目は配信です。

テレビならばCMをつくり、曜日や時間帯、番組を決めて枠を購入し、放映するまでが配信です。20代・女性に商品を訴求したいというような場合、20代・女性に人気の番組の枠を買えば終わりです。

一方、デジタルの世界ではターゲティングという概念が存在します。20代・女性をターゲットにするなら、Facebook・Instagram・Googleが保有しているユーザーデータを活用して、的確に配信することができるのです。その際、資産運用のように細かいチューニングをすることで投資した広告費用を最大化することができます。

ONE MEDIAは自分たちで動画を制作しているので、その運用方法も熟知していますので配信の部分も含めてお手伝いさせていただくことが多いです。

3つ目はリアルな場でのイベントです。

今、若者の間では、外に遊びに行くことがトレンドになっています。これはたくさんの「いいね!」をもらえる「インスタ映え」という言葉に代表されるように、充実した日常を送っていることが1つのステータスになっているからです。そんな外に出たがりな若者たちですが、そもそも期待値がよくわからない(行っても時間の無駄になるかも、どんな人たちが来るかわからない、ダサい場所だったらどうしよう)ところには足を運んでくれません。

ONE MEDIAは1本限りのCMとは違い、動画をシリーズで制作することが多いのですがそのシリーズを通して動画の世界観が好きなコミュニティが生まれます。そんな彼らに対して僕らがイベントの案内をすると、これまでつながっていなかった層のお客さんを誘致することができます。どんなイベントか、どんなお客さんが来るか、期待値が分かっているからリアルな場でも人を集めやすいのです。

なので僕らの元には、動画を若い人に配信したクライアントからイベント開催のご依頼も多いです。誰もがメディアとなり発信するような時代、個人の発信を誘引しやすいイベントは動画とセットで考えなければならないなと思っています。