【原田】「PayPay」に関しては、2018年12月に第一弾が行われた「100億円キャンペーン」で知名度がだいぶ上がったようだね。確かに僕もたくさんの若者たちから、キャッシュバックキャンペーンでアップル製品を買った、という声を聞いたなあ。でも、キャンペーンが終わると使わなくなるのなら、このキャンペーンを何度も何度もやり続けて、その度に一部の人が習慣化されるのを待つ、という体力勝負の超消耗戦になるね。今はさまざまなキャッシュレス決済サービスが乱立しているけど、そのうちに持久戦に負け、恐らくいくつかに絞られていくことになるだろうね。あるいは、この超消耗戦にどこも耐えられなくなり全社が撤退、なんて可能性も否定できないかもね。

【千葉】私は81人にアンケートを採りましたが、QRコード決済の経験者は同じく2割くらい。私自身は今から3年くらい前、高3の時から「LINE Pay」を使っています。高校生だった私は、クレジットカードを持っていなかったので、スタンプを買うときは常に携帯代を払っている親に請求がいき、それが本当に嫌でした。

LINE Payはクレジットカードがなくても登録できるし、自分の銀行口座と直結させることができるので始めたんです。今ではコンビニや一部のスターバックス(※)、こないだの東京ドームシティで開催された「ふるさと祭り」でも使いましたね。バイトに行く時もあまり現金を持って行きたくないので、何か買う必要が出る時はQR決済を使っています。

※編集部注:一部店舗で「LINE Pay」の決済が可能

【原田】なるほど。やっぱり、大学生は2割くらいなんだね。あと君のように、かなり前からQRコード決済を使っている若者もごく一部にはいるんだね。高校生は親の承諾なしにクレジットカードを作れないから、クレジットカードの代わりとしてQRコード決済を使い始めるっていうのは、結構明確な動機になり得るかもしれないね。

アメリカでも大学生はクレジットカードの上限が500ドルと決められている人が多いので、だから銀行口座直結のデビットカードが普及したんだけど、日本の高校生もこれと似た動機でQR決済が普及していく可能性はありそうだね。今のところ、高校生を狙ったQR決済の広告プロモーション施策があまりなされていないように見えるけどね。

大学生でも、まだ「LINE Pay」を知らない

【牧之段】僕の周囲だと、大学生の使用経験者は20人に1人という感じです。

【原田】そうか、早稲田大学は5%か。大学によってもばらつきはありそうだね。

【牧之段】QR決済の知名度は、僕自身4つのQRコード決済のサービス名は聞いたことはありましたが、「ORIGAMI」だけは知りませんでした。周囲の友人たちも「ORIGAMI」はほとんど知りませんね。